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【報告: 2025年2月13日・14日】第13回留学生交流・指導研究会

  • coisan
  • 2月18日
  • 読了時間: 5分

本研究会は、COISAN 会員が日頃留学生のアドバイジング業務や留学生教育に従事する中で直面している問題について会員同士が直接顔を合わせながら、情報やノウハウを共有するとともに、留学生アドバイジングの領域に関連する教育実践、研究成果を発表する場として 2013 年より年 1回開催している。2023 年度以降は、対面、オンライン併用のハイフレックス形式で開催している。


第 13 回の研究会では、新たな試みとして、国立大学法人留学生指導研究協議会の前日(2 月13 日)及び当日(2 月 14 日)の午前中に行った。1 日目(2 月 13 日)の午後は、会員による実践報告・研究発表の場を設けるとともに、特別講演を行った。そして、夜には参加者同士による情報交換会を行った。2 日目の朝は、大阪大学工学部レジリエンス・サポートルームの見学会を行い、お昼にはランチ交流会を実施した。実践報告・研究発表、特別講演には 64 名(うちオンライン参加者 34 名)、情報交換会には 17 名、レジリエンス・サポートルームの見学会には 12 名、ランチ交流会には 21 名の参加があった。また、1 日目の実践報告・研究発表、特別講演は有償による非会員の受け入れ、情報交換会、ランチ交流会は実費負担による非会員の参加を受入れており、実践報告・研究発表、特別講演は 27 名、情報交換会は 5 名、ランチ交流会は 10 名の非会員の参加があった。以下にその詳細を述べる。


1 日目(2 月 13 日)は、まず 3 件の会員による実践報告・研究発表から始まった。研究発表 1では、梁瀬会員から「留学生支援に求められる多文化共生とは何か―スウェーデン社会・大学の実践に学ぶこと」と題して、スウェーデンにおける多文化共生に関する歴史的議論や実践についての報告が行われた。研究発表 2 では、小嶋会員と中野会員から「インターセクショナリティの概念から留学生の困難を考える―博士課程で学ぶ女子留学生に関する研究」と題して、インターセクショナリティ(交差性)の概念を用いて女性の大学院留学生が抱える困難について報告された。実践報告 1 では、瀬井会員と義永氏から「大阪大学の SALC における日本語学習アドバイジングと大学院生スタッフの育成」として、大阪大学における課外の SALC(Self-Access Learning Center:自律的な言語学習支援施設)である OU マルチリンガルプラザにおいて実施された留学生対象の日本語学習アドバイジングおよび施設内で活動する大学院生スタッフの育成について報告された。

会員による実践報告・研究発表
会員による実践報告・研究発表

続く特別講演では、大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センターの太刀掛俊之先生に「カルト問題を考える―学生を勧誘から守るために」と題してご講演いただいた。参加者からは、「カルトのように明らかに社会悪と思われるような集団であっても、頭ごなしに脱会を迫るのではなくて、本人が自分で判断できるように粘り強く働きかけていく必要があることが実感できた」、「とても詳細にカルト問題の情報をまとめていただき、相談事例まで共有いただき、問題の深刻さと、サ ポートの重要性を学ぶことができた」などの声が聞かれた。

太刀掛俊之先生による特別講演
太刀掛俊之先生による特別講演
参加者にお菓子を持ってきてもらう企画も行った
参加者にお菓子を持ってきてもらう企画も行った

夜に行われた情報交換会では、「様々な大学の先生方とざっくばらんにいろいろなお話ができた」 という声が聞かれ、参加者同士の充実した情報交換の場となっていたようである。


2 日目の朝は、昨年度の特別講演でお話しいただいた大阪大学大学院工学研究科の根岸和政先生 の案内のもと、レジリエンス・サポートルームの見学会を行った。参加者からは「説明を聞きなが ら自由な雰囲気で見学でき、利用者が書いたノートも読ませていただき、実際の様子をうかがい知ることができてよかった」との声が上がった。

レジリエンス・サポートルームの見学会
レジリエンス・サポートルームの見学会

そして、お昼にはランチ交流会を行い、和やかな雰囲気のもとで参加者同士が交流をした。参加者からは、「それぞれの大学が直面している課題について率直に話ができた」、「各先生方との交流 の中で共感と気づきを得るよい機会となった」といった声が聞かれた。

ランチ交流会
ランチ交流会

第 13 回留学生交流・指導研究会プログラム

2025 年 2 月 13 日(木)


■研究発表 1

「 留学生支援に求められる多文化共生とは何か ―スウェーデン社会・大学の実践に学ぶこと」

梁瀬 まや(京都大学 学生総合支援機構 学生相談部門 留学生相談室)


■研究発表 2

「 インターセクショナリティの概念から留学生の困難を考える ―博士課程で学ぶ女子留学生に関する研究」

小嶋 緑(東北大学高度教養教育・学生支援機構)・中野 遼子(東北大学大学院歯学研究科)


■実践報告 1「大阪大学の SALC における日本語学習アドバイジングと大学院生スタッフの育成」

瀬井 陽子(大阪大学国際教育交流センター)・義永美央子(大阪大学国際教育交流センター)


■特別講演「 カルト問題を考える ―学生を勧誘から守るために」

太刀掛 俊之(大阪大学 キャンパスライフ健康支援・相談センター 教授)


■情報交換会


2025 年 2 月 14 日(金)

■大阪大学工学部レジリエンス・サポートルーム見学会


■ランチ交流会


第 13 回研究会企画・運営班(50 音順) 伊藤健一(宮崎大学)・瀬尾匡輝(茨城大学)・園田智子(東京大学)・趙丹寧(埼玉大学)・ 中野遼子(東北大学)・村上和弘(愛媛大学)・米本和弘(東京学芸大学)

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